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こけし工人紹介◆近野明裕工人◆

父、一男の従兄弟に当たるこけし工人の渡辺義雄(篠木利夫の弟子)の勧めもあり、昭和57年9月より土湯の佐藤佐志馬(さしま)氏の家に通って木地の修業を始めました。そのころの佐志馬氏は殆ど木地を挽いていなかったため、木地技術は佐志馬氏の婿養子佐藤久弥(きゅうや)氏について学びました。近野明裕氏の住まいは福島市佐原にあり、平日は商工会議所勤務を続け、土日に土湯へ通って材料代を払い修業を続けました。修業開始後15年目の平成9年に土湯こけし工人組合にも参加を認められ、正式に土湯系工人としてこけしの製作を行うようになりました。その後、仕事は生活衛生営業指導センターの指導員に変わり、これを約14年勤めましたが、平成28年3月に正式に退職し、以後はこけし製作に専心できるようになりました。また同じ土湯こけし工人の今泉源治氏の孫、潮音に木地の指導もしていました。作品は佐藤久弥に師事したので、佐志馬氏、久弥氏の作風を継承しています。当初の作は、面描、とくに眼の描法など、晩年の佐藤佐志馬氏の作品を忠実に継承した型を作っていましたが、次第に近野明裕氏の自分の作風を確立するようになりました。他の土湯の先人たちの作ったこけしにも関心を持ちその研究にも努力しています。伝統的な土湯のこけし以外にも、竹の中に入った「かぐや姫こけし」や「市松模様こけし」など木地人形の製作も行っています。新作のスマホケースにもなるポーチや巾着に入ったこけしも紹介して頂きました。常に新しいスタイルのこけしを生み出されています。   伝統こけしは、北は青森から南は福島まで様々な種類がありますが、どれも単純な作りながら、それぞれに特徴があり奥が深いと言います。また、土湯こけしは二重まぶたで表情が豊か、作り手の気持ちがそのまま表情に現れると言います。顔の作りは眉毛8割がた決まるそうです。バランスの良い眉毛が描けると、その日一日気持ちよく作業が出来ると語ってくれました。 福島市佐原字田中内38の2 ☎024-593-3408

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