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こけし工人紹介◆渡邉隆工人◆

お勤めの傍ら家業の土産店(さかえや物産店)を手伝い、さらに、こけし工人としても活動しています。土湯の生まれではありませんが、縁あって土湯こけし工人の渡邉等氏の娘さんと結婚。結婚当初は、こけし作りにあまり興味はありませんでしたが、義父である等氏の作るこけしの魅力に惹かれるようになり、昭和55年に弟子入りし、こけし作りの道に入りました。当初は、当然のことながらこけし作りに専念する時間は取れず、修行も思うように進まなかったそうです。現在は、こけし工人として、こけしの生きた目を自信を持って描けるまでになったそうです。作品は、等氏の作風を継承しつつ、自身のスタイルを取り入れて制作に取り組んでいるそうです。                     同じ土湯こけしでも、描彩の赤の色一つとっても工人によって色の濃さ、明るさに違いがあります。いくつかの工人の作品を集めて、表情や色使いの違いを比べて、自分の好みを見つけてもらえたら、よりその魅力に気付いて貰えると思いますと語ってくださいました。 福島市土湯温泉町字杉ノ下24 ☎024-595-2316

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こけし工人紹介◆西山敏彦工人◆

木地業西山憲一氏・キヨ氏の三男に生まれる。平成5年に、家業を継ぐべく「こけしクラフト西屋」ルミネ店の店長になります。 平成7年より父憲一氏について木地を修業しました。平成15年「こけしクラフト西屋」の代表に就任します。平成20年6月より慶一氏の跡を継ぎこけしの製作を開始しました。父・西山憲一氏の型を継承しています。本人型、憲一型に加え、祖父・勝次型、曽祖父・辨之助(べんのすけ)型も作っています。また、新創案のこけし応用民芸品等にも製作意欲があり、ガラス容器やステンシル等の新技法を駆使した“えじこ”の中に、想像で作った二代目・濱吉(はまきち)型、初代・弥三郎型も加えた六世代の豆こけしを入れたものも制作しています。足踏みのように木肌の荒いこけしを作る際には、モーターの速度が可変のろくろを使用して回転速度を遅らせて同じような効果を出すようにしているとのことです。 正式に市販するようになったのは平成20年ですが、木地の修業を始めた平成7年以後のいくつかの試作こけしは現在も残っています。                      同じこけしでも見る人によって見方が違うところがこけしの魅力の一つです。ろくろ線のにじみや古いこけしの色の落ち着き具合もこけしに複雑な表情をもたらしてくれます。レース模様を取り入れたり、視線の表現を工夫したりと、その時代時代の工人の努力が見てとれるこけしの魅力だと話してくださいました。 福島市土湯温泉町悪戸尻7の1 ☎024-595-2401

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こけし工人紹介◆近野明裕工人◆

父、一男の従兄弟に当たるこけし工人の渡辺義雄(篠木利夫の弟子)の勧めもあり、昭和57年9月より土湯の佐藤佐志馬(さしま)氏の家に通って木地の修業を始めました。そのころの佐志馬氏は殆ど木地を挽いていなかったため、木地技術は佐志馬氏の婿養子佐藤久弥(きゅうや)氏について学びました。近野明裕氏の住まいは福島市佐原にあり、平日は商工会議所勤務を続け、土日に土湯へ通って材料代を払い修業を続けました。修業開始後15年目の平成9年に土湯こけし工人組合にも参加を認められ、正式に土湯系工人としてこけしの製作を行うようになりました。その後、仕事は生活衛生営業指導センターの指導員に変わり、これを約14年勤めましたが、平成28年3月に正式に退職し、以後はこけし製作に専心できるようになりました。また同じ土湯こけし工人の今泉源治氏の孫、潮音に木地の指導もしていました。作品は佐藤久弥に師事したので、佐志馬氏、久弥氏の作風を継承しています。当初の作は、面描、とくに眼の描法など、晩年の佐藤佐志馬氏の作品を忠実に継承した型を作っていましたが、次第に近野明裕氏の自分の作風を確立するようになりました。他の土湯の先人たちの作ったこけしにも関心を持ちその研究にも努力しています。伝統的な土湯のこけし以外にも、竹の中に入った「かぐや姫こけし」や「市松模様こけし」など木地人形の製作も行っています。新作のスマホケースにもなるポーチや巾着に入ったこけしも紹介して頂きました。常に新しいスタイルのこけしを生み出されています。   伝統こけしは、北は青森から南は福島まで様々な種類がありますが、どれも単純な作りながら、それぞれに特徴があり奥が深いと言います。また、土湯こけしは二重まぶたで表情が豊か、作り手の気持ちがそのまま表情に現れると言います。顔の作りは眉毛8割がた決まるそうです。バランスの良い眉毛が描けると、その日一日気持ちよく作業が出来ると語ってくれました。 福島市佐原字田中内38の2 ☎024-593-3408

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こけし工人紹介◆陳野原幸紀工人◆

福島県土湯の陳野原健蔵氏・フジヱ氏の五男に生まれました。長兄は和紀氏。以前から兄和紀氏のこけし製作を身近に見ていたので、こけしには興味があったという。昭和46年スキーで足を骨折したのをきっかけに、リハビリの傍ら兄和紀氏のもとで木地を学ぶことになり、やがてこけしの製作をはじめました。最初は、兄和紀氏が製作していた佐久間粂松(くめまつ)の型に倣っていましたが、やがて蒐集家(しゅうしゅうか)※が粂松の古作やその写真を持参して復元を依頼する様になり、各種の粂松型を作る様になりました。粂松型は珍しい二重まぶたが特徴のこけしです。平成になって若い層に愛好家が増えていくに連れ、その嗜好(しこう)にも応えて「マリンボーダーこけし」や「トンガリこけし」など新考案の型にも取り組まれています。現在、山水荘の売店で販売している「こけしの楊枝入れ」も手掛けられております。愛らしい表情の楊枝入れが食卓を彩ります。また、こけし工人として活躍する一方で、土湯温泉の飲食店「味処ひさご」の経営もされております。その他にも、山水荘・YUMORIで提供している“発酵食”についてもたくさんのアドバイスを頂いています。           ※コレクターのこと 伝統こけしの技法を踏襲(とうしゅう)し、土湯こけしの型を伝承していくこと、その時代にあったこけしを伝える(良いものを作りそれを次の時代に残して行く)のも工人の役目です。そうした中で年代による変化が生まれるのもこけしの面白さであると語ってくださいました。伝統こけしの魅力は顔を見ていて飽きないところです。また、癒しの表情で見て頂くとこけしも癒しの表情を返してくれまます。その時その時の見る人の心で表情を変える、それも伝統こけしの魅力の一つです。 福島市土湯温泉町字杉ノ下21 ☎024-595-2329

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こけし工人紹介◆阿部国敏工人◆

 阿部国敏さんは土湯温泉で最も若いこけし工人として活躍しています。土湯こけしが最も隆盛(りゅうせい)した時代に名人と言われた阿部治助(じすけ)氏を曾祖父に持ち、祖父の勝英(しょうえい)氏、祖母のシナ氏、父の敏道氏と続く土湯こけし工人の名家に生まれました。曾祖父の治助氏のつくるこけしは「治助こけし」と呼ばれ、大正ロマンを代表する美人画家竹久夢二(たけひさ ゆめじ)が訪欧したとき、カバンに忍ばせていたのが「治助こけし」だったと言われています。19才でこけしの木地作りを陳野原幸紀氏に学び、描彩は父や祖母から学びながら描彩の技術を磨いてきました。伝統こけしを作る一方で、「伝統こけしは限られた人にしか見て貰えない、一般の方にも見て貰える親しみやすいこけしを作ろう。」という思いから「ほほえみがえし」という可愛らしい表情のこけしが生まれました。「ほほえみがえし」は大きな頭をかしげた形が最初に思い付き、無表情のまま首をかしげると怖い印象になってしまうため、にっこりと微笑んでいる口にしました。胴体は三角形にして首をかしげた際の安定感を持たせました。   ろくろ線と細胴で女性的な魅力が土湯こけしの特徴。また、土湯に限らず伝統こけしは削りから描彩まで一人で作るため同じものは2つとして作れません。足踏みろくろでろくろ線に色の滲みが出るのも、線の返しがあるのも伝統こけしの魅力であり味であると語ります。  福島市土湯温泉町字下ノ町25 ☎024-595-2156

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